化粧品の流通形態が激変し、ドラッグと通販が化粧品売り場の主役になりつつありますが、肌箋舎は発売以来ずっと化粧品専門店とともに歩んでいます。ブランドは世に出してからは、自分たちのものではなく、お客様とお店のものだという考えに立ち、弊社憲法2条に魂をいれる作業を続けています。肌箋集28の良さは、その商品を愛し、知りつくしている人から説明されてなお一層の輝きを増すものだと信じてやみません。
肌箋集28は多くの善意に支援され、7年後の今日、50を超えるお店で取り扱っていただいております。100店をゴールと決めてはいるものの、その歩みはスローです。ただ新しいお店とのご縁を求めるよりも、ご縁をいただいたお店と深くお付き合いしたいと考えていますので、この歩き方はこれからも続けてまいります。
勉強会と交流を兼ねた合同セミナーを会社近くの「庭のホテル」で行ったことがありますが、それ以外はすべてお店に出向いて行いました。2013年に会社を中野から神楽坂に移し、そこを作業所としてお店ごとに独自のリーフレットやPOPを作成しております。
それでも小さな会社ゆえ、全国のお取扱店に足しげく通うことができないのが弊社の弱みです。毎月発行するニューズレターはその不義理を少しでも穴埋めしようと始めましたが、まもなく90号を迎えようとしております。商品情報を主といたしますが、雑学知識、業界情報など、節操なく加え、お店にとっての“月末の楽しみ”を目指しています。
一方お客様との出会いはホームページと併設したオンラインショップで図っております。取扱店が近くに無いお客様の便宜をはかるのが開設した目的ですが、お客様のご要望、ご質問にも答えしております。より多くのお客様に肌箋集28を知っていただく努力をこれからもしたいと考えます。
ラオス支援の一環として作ったシルクのポーチや花梨の什器、そして重厚感のあるガラスの容器…、肌箋集28はデビュー以来、東洋的なテーストを醸し出してきました。どこにもない雰囲気と高いスキンケア性は受け入れられましたが、7年後の現在、新鮮さを求める声も出始めていました。また憲法3条として弊社が支援してきたラオスの若者の就業支援も、ラオスの急速な成長、中国資本の台頭などにより、その活動を終えるタイミングに差し掛かっておりました。
そこで平成最後の年に、今までの遺伝子は残しつつ、リパッケージを行うことにしました。資生堂マジョルカマジョリカのデザインを手がけた秋元葉子氏を招へいし、徹底的に議論して作り上げました。従来より明るく、視認性と存在感が増した、という意見をいただいています。
リパッケージにとどまらず、中味も強化いたしました。小さな会社ながら研究室を設け、2年近くの研究を経て発売した肌箋集28は、お客様から「いままで経験したことのない感触と効果を感じる」と言っていただき、多くの方に安心してお使いいただいております。でもリパッケージを更なる進歩のために一里塚ととらえ、エコサート認定の植物エキスを新たに吟味、配合し、スキンケア効果を高めました。ブランドコンセプトである「パワフルオーガニック」のレベルをもう一段高めたと自負しています。
お店にとってもお客様にとっても、かけがえのないブランドと思っていただく…、それが肌箋集28の使命であり、ゴールです。令和の時代とともに、2世紀目を迎えた肌箋集28は、皆様とともに歩んでいく覚悟です。
(2019年春)